1.概要
 ファルコンJr.でアルミニウムの裏面減肉の探傷が可能であることが確認されました。平成23年11月 に実機アルミニウムタンクの底板(t=10mm)の探傷を実施してファルコンJr.の検出能力の高さを実証しております。試験片を使用した室内探傷を紹介します。
2.試験方法
試験片は、板厚t=10.0mmの裏面に減肉を有した試験片(下写真)を用いました。、表面側からスキャナーを走査しながらデータを採取して、解析ソフトにてそれぞれの減肉信号を評価をしました。なお、周波数:25Hz、ゲイン:3、Level:Highに設定しました。
 ファルコンJr.は低周波電磁誘導法の技術を用いた強磁性体の探傷装置であります。アルミニウムの材質は透磁率1 の常磁性体であり強磁性体ではありません。しかし減肉を明瞭に検出しました。探傷可能となった理由はアルミニウムの導電率の高さにあると推測されます。周波数が 25Hz という低周波であってもアルミニウムに渦電流が生じ健全部と減肉部の差に検出コイルが反応したと考えられます。
 実機タンクではタンク底板全体に局部腐食が点在しており、t=10.0mmに対し残肉値t=1.5mmという漏洩に繋がる減肉を検出しました。アルミニウムにおける局部腐食の進行の速さが確認できました。
 今後はアルミニウムだけでなく他の金属材料でも探傷の可能性があると考えております。
・減肉量(体積)が大きくなるにつれ、
Log(AMP)がマイナス方向に下がる
3.試験結果
探傷状況(表面から探傷)
アルミニウム試験片(裏面)

◎ファルコン Jr. によるアルミニウムの減肉検査

4.考察